昭和31年に「奇術研究」第1号が発刊、その「発刊によせて」には「奇術はいうなれば、言語と国境を超え、老幼・男女を問わず、世界の何びとにも親しまれる高雅な趣味と健全な娯楽とを兼ね備えたもので、奇術の本質的なすばらしさが一般から正当に評価されはじめた」といったことが書かれています。戦後復興10余年、余暇を楽しむ、人々を楽しませるなどのゆとりも生まれ、奇術はエンターテインメントの最高の一つとして市民権を得るようになったのが昭和30年頃だと言えるのでは。昭和31年(1956年)4月1日創刊の奇術研究1(第1巻、第1号)春号~昭和53年(1978年)7月10日発行の奇術研究84(第21巻、第4号)冬号と目録集と増刊号、奇術研究22および43は紛失のため、全84冊です。44年~66年の経年ですが、目立つような汚れや変色、色褪せ、折れや破れ、マーキングなどはほぼ見つかりません。奇術研究1表紙下に、奇術研究13裏表紙に、51の背表紙に若干の破れ、何冊かには日付印などが見られますが、84冊の状態は良好です。B5版サイズ、上質の表紙の挿絵や写真は色鮮やかで気持ちがウキウキ、各頁も上質紙、枚数制限で内容までは画像にできませんが、特集号、写真やイラストによる国内外の奇術解説、マジシャン紹介、トピックス、イベント、ルポなど、バラエティーに富んだな内容です。監修:坂本種芳氏、編集:柳沢義胤氏、発行所力書房、定価は第1号150円、第84号800円、日本の高度成長期の反映でしょうか。全84冊を積み上げると高さ約30cm、重さは約9.5kgです。奇術専門誌の名著の一つの「奇術研究」を蔵書に加えて頂き、内容の豊富さとともに当時の奇術界の盛況さを実感していただけると幸いです。
商品の情報
カテゴリー | その他 > アンティーク/コレクション > 印刷物 |
商品の状態 | 目立った傷や汚れなし |