●製作年:1754-56年●素材:ソフトペースト(軟質磁器)●フォーム:ブイヤール●サイズカップW:7cmH:7cmソーサーW:13.5cmH:3.5cm装飾:Vincent TAILLANDIER1753-90年まで絵付師(花絵/ガーランド)として在籍フランス磁器の草分けであるヴァンセンヌが、マイセンのコピーで模索していた時代は、1750年代についに終わりを迎えます。ポンパドール夫人の意向により自身のヴェルビュー城近くのヴァンセンヌに拠点を構え、セーブルの前身がスタートします。これには夫人が意のままに意見を反映させられるようにする為とも言われていました。ブルーライン金彩花絵もそもそも始まりは彼女の食事用として製作されたのが発端です。フランス様式の花としてマイセンを超えるべくスタイルを確立させていきますが、個人的にはこの時代で既にこんなクオリティの高い技術を構築していたことには驚嘆の一言。コクのある色彩や濃淡、ビロードのような質感や陰影は見事としか言いようがありません。彼の描写の技術力は凄まじく、葉一枚の細部に至ってすら極めています。花々の描写はどれもパーフェクトですが個人的にはアジサイの質感と奥行の表現は息が止まってしまうほどでした。おまけで最後尾に載せました写真について…ルイ15世がヴェルサイユ宮殿で使用するために製作された:カマユピンクセルヴィスが有名ですがこれにはセーブルの中でも非常に優秀な精鋭が参加し製作しました。その中の1つのサラダボウルと今回のカップを並べてみました…もうお分かりかと思います。タランディエの描写です…彼も参加してました。金彩の擦れも見受けられず、ワレやカケの無い素晴らしいコンディションです。美術的、歴史的にも価値があり、最高の逸品として王侯から評価され続けてきた18世紀セーブルをまさに体現した作品でしょう。鑑賞と併せ、当時に想いを馳せながらのティータイムは何よりの癒しとなるはずです。
商品の情報
カテゴリー | インテリア・住まい・小物 > キッチン/食器 > 食器 |
商品の状態 | 目立った傷や汚れなし |