明治期に美濃焼の声価を高めた名工西浦圓治の釉下彩花瓶を出品致します。西浦は釉下彩の作品が有名ですが、釉下彩作品の殆ど、おそらく90%以上は緑色の釉下彩を使った作品です。本品のように鮮やかなマリンブルーの釉下彩作品はこれまでに見たことがありません。その意味で非常に希少な色と言えましょう。高さは20cmです。10cm台の小品の多い西浦焼の中では大ぶりな方です。保存状態は新品と言っても良い程です。ありがちな表面の小さな擦り傷や引っ掻き傷などもありません。ワレ、カケ、ヒビなどの瑕疵もありません。以下に、西浦の略歴を記します。5代圓治は幼名を繁太郎といい、安政3年(1856)に4代圓治の甥として生まれました。明治21年(1888)、繁太郎は32歳で5代圓治を襲名し、自宅前の屋敷を絵付工場に改造して、上絵付製品の製造を始めました。明治27年(1894)に多治見の尾張坂に窯を築き、西浦辰太郎を工場長に迎えて西浦焼を代表する吹絵装飾の「釉下彩」などの製品を作りました。また、5代圓治は数々の博覧会へ焼物を出品し、明治22年(1889)のパリ万博で銅賞を、同37年(1904)セントルイス万博で金賞を、同42年(1909)アラスカ・ユーコン太平洋博で名誉大賞を受賞しました。出典: 多治見陶磁器卸商業協同組合
商品の情報
カテゴリー | その他 > アンティーク/コレクション > 工芸品 |
商品の状態 | 未使用に近い |